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ドッグフードに含まれる添加物とは?添加物に関する基礎知識を解説

近年、無添加を売りにしたドッグフードが増えてきています。

愛犬の健康のため、フードは良質な品を食べさせてあげたいものです。

少し高くても無添加のものを選んだほうがいいかも、と考えたことはないでしょうか?


添加物が入っているフードがすべて悪い、というわけでもありません。

ドッグフードにはどのような添加物が含まれているのか、

なぜ入れられているのかをあらかじめ知っておくことで、愛犬に適したものを選べるでしょう。


今回の記事では、ドッグフードに含まれる添加物について、その基礎知識も含めて詳しく解説します。


添加物って何?

添加物とは、食品に添加するさまざまな成分のことです。

加工食品などに含まれる添加物には保存料や香料、酸味料、着色料などがあり、

品質を維持したり、食品を保存したり、味をつけたりするために使用されています。


添加物は、安全性と有効性が評価されていることはもちろん、

厚生労働大臣が認可したものしか、使用できないように定められています。


また、従来、食品添加物は「合成添加物」だけとされていましたが、

現在では「天然添加物」も食品添加物としての扱いです。

たとえば、昔ながらのシソやクチナシを使っての着色は、エキスにして食品添加物の着色料として利用されています。


添加物は悪いものではない

添加物は悪影響を及ぼすといわれていますが、それは過剰摂取などの摂取方法によるものであり、添加物自体が悪いものではありません。

水や塩も体に必要なものですが、飲みすぎたり摂りすぎると体に害をもたらしますよね。


安全とその有効性が認められた添加物だけが法律で使用を許可されており、

品質を維持する際などにも有用な役割を果たしています。

健康的な食事を心がけ、添加物を適切な用量で摂取することが重要です。


添加物の種類

添加物には多くの種類があります。ここでは、ドッグフードに使われる頻度が高い添加物についてご紹介します。


着色料

本来、食品はさまざまな「色」を持っており、その見た目で食欲を増したり、

彩りで食卓を飾ったりと、多様な効果があるものです。

本来の色を長期間維持することは難しいため、人工的に色を調整する「着色料」が使用されています。


着色料は食品や飲料などに色をつけるために使われており、

天然素材から抽出されたものや化学的に合成されたものがあります。

食品には有害な成分を含まない、植物由来の着色料を使用することが一般的です。


また、鮮魚介や肉、野菜といった生鮮食品に着色料を使用することは禁じられています。

黄橙色の色素である「アナトー色素(カロテノイド色素)」や褐色の色素である「カラメル色素」などが、代表的な着色料として有名です。


さらに、「食用タール系色素」として、食用赤色2号・3号・40号・102号・104号・105号・106号、食用黄色4号・5号、食用緑色3号、食用青色1号・2号の12種類が指定されています。

これらは使用基準が厳格に定められており、多くの食品で使用を禁止されている点が特徴です。


金虎では着色料は使用いたしません。


保存料(酸化防止剤)

「保存料」は、食品が腐敗する原因となる微生物が増えるのを抑え長期の保存性を高める添加物です。

一般的な保存料としては、安息香酸・安息香酸ナトリウム(安息香酸Na)、ソルビン酸・ソルビン酸カリウム(ソルビン酸K)などがあり、

どちらももともとは植物由来でしたが、現在では化学的に合成されています。


また空気中の酸素によって起こる食品の酸化を防ぐ「酸化防止剤」も保存料として重要です。

とくに、油脂類の酸化を防止するために酸化防止剤が使われますが、

中でもアスコルビン酸(ビタミンC)やトコフェロール(ビタミンE、V.E)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)がよく使用されています。


植物由来のアスコルビン酸は、食品の酸味を調整したり食品中の緑黄色素を安定化したり、

抗酸化物質として働くなど、さまざまな役割を果たす添加物です。

また、トコフェロールは油脂成分の不必要な酸化を防止するビタミンで、植物油脂から作られるほか化学的合成で作られるdl-α-トコフェロールも有名でしょう。

ブチルヒドロキシアニソールは、化学的に合成された酸化防止剤ですが優れた浸透性と酸化防止効果を持っています。


サプリメント

サプリメントとは、体内に必要な栄養素やミネラル、その他の成分を摂取するための添加物です。

ビタミンやカルシウム、ナトリウムなど総合栄養食に必要な栄養素を補うために使用します。


酵母

酵母は、食品製造において発酵効果を持つ添加物として使用されており、

味や形状を変え、香りや風味を高めることが可能な有機物です。

発酵によって食物繊維を分解し、消化しやすい形に変換するのが特徴で、

発酵プロセスで果糖などの糖分をアルコールに変換したり、パンをふくらませたりなどの効果があります。


また、ビタミンB群やその他有用な栄養成分も含まれており、食品のバランス調整にも役立つでしょう。


ドッグフードに添加物を入れる理由

ドッグフードは、犬の健康を保つため、決まった栄養を安定的に摂取できるように工夫されています。


そのため、栄養バランスを整えるビタミン、ミネラルやアミノ酸などの栄養添加物をはじめ、酸化防止剤など品質保持用の添加物や、食欲を増進させるフレーバーとしての添加物など、さまざまなものが加えられているのです。

日本では「ペットフード安全法」によって、使用上の注意が必要な添加物について、科学的知見に基づいた上限値が定められています。

また、その他の添加物に関しても、日本国内の食品添加物やアメリカ・ヨーロッパで定められたペットフードに使用できる飼料添加物の基準などをもとに、安全性を各メーカーで確認して製造しています。


ペットフードに使用される添加物は「ペットフード公正取引協議会」で規定されており、

使用した原材料は添加物を含み、すべて記載するよう義務化されている点も安心安全なポイントです。


さらに、添加物を甘味料・着色料・保存料・増粘安定剤・酸化防止剤・発色剤の目的で使用する場合は、

その用途名も併記することになっているため、パッケージを見るだけですぐに判別できるようになっています。


総合栄養食には決められた栄養素が必要でサプリなどは添加される

犬用に作られた総合栄養食には犬の生活習慣や生命維持・成長に必要な決められた栄養素が、一定の割合で含有されています。


栄養バランスを取り、それぞれの必要量を満たすためには、

原材料の栄養素だけでは不足する場合があるため複数種の栄養素を添加することが必要です。

たとえば、アミノ酸やビタミン・ミネラルを含むサプリメントなどが添加され、

栄養バランスを調整することで必要な栄養素が摂取できます。


ほかにも、必須脂肪酸やビタミンA、D、E、Kといった特定の栄養素をサプリとして添加することでドッグフードだけで十分な栄養を摂取できるでしょう。


無添加ドッグフード=総合栄養食ではない=おやつ

無添加ドッグフードは、肉や魚、野菜などの天然素材のみで添加物を含まない純粋なフードですが、

基準を満たした総合栄養食ではない点に注意が重要です。

完全に無添加ドッグフードだけでは犬が必要とする栄養素を摂取することはできない、といえるでしょう。


犬の健康を維持するために必要な栄養素が不足していることから、

無添加ドッグフードを与える際はパッケージを見て必要な栄養素の配合量を考慮し、適切な栄養を摂取させる必要があります。

無添加ドッグフードは食事として与えるのではなく、おやつとして与えることがおすすめです。

ただし、おやつとする場合は、1日の摂取カロリーに気をつけましょう。

栄養が十分でも、カロリー過多になってしまっては愛犬の肥満につながりかねません。


まとめ

ドッグフードには添加物が含まれていることが一般的ですが、近年では無添加のものも増えています。

愛犬の健康を考慮して、無添加を選ぶケースが多いかもしれませんが、一概に添加物が悪いわけではなく、過剰摂取に配慮することが大切です。


弊社のドッグフード「おさかな」は着色料や保存料は使用していません。

一方でサプリや酵母などがありますが、これらは理由があって添加されており、

その基準も厳しく定められています。パッケージに添加物の種類やその用途まで記載されているため、気になる方は確認することがおすすめです。


無添加のドッグフードには、必要な栄養が添加物として加えられていないことから、

食事としてではなくおやつとして与えるとよいでしょう。

ぜひ、今回の記事を参考にしてみてください。